未来少年 -重岡大毅編-

 

 

 

・「東京オリンピックではな、日本は金メダルめっちゃとるんやで」そう友達に自慢していた重岡くんはどこか未来を知っているみたいだけど、そんな事はないと信じていた。だって未来から来たなんておかしくない?なのに、なのに。「俺、転校すんねん」それが本当かのように、重岡くんはいなくなってしまうの。私が『どこ、いくの』って聞いたら、「んー、どこやろな、遠いとこかな」って言うから思わず腕を掴んでしまうね。その腕を見て重岡くんは言うの、「今日でサヨナラやな」って。

 

 

 

・幼馴染のはずだったのに、ずっと一緒だったはずなのに、ぱったり姿を消した大毅。しかも、存在していなかったかのように、周りの人の記憶からは消えていて、私しか覚えていないの。顔も声もあのえくぼも、癖も性格も全部覚えているのに、友達に聞いても「大毅って誰?」と聞かれるだけ。ああ、私の夢だったんだろうか、「ほんっまお前アホやな(笑)」と馬鹿にしてきた事も、「なあ、俺ら、幼馴染よな?」と切ない声で言ったのも、「じゃあな、」と振り返らずに歩き出したのも、そうだ、私と大毅は、お別れをしたんだ。子供の頃2人でよく遊んだ、あの公園で。いつか、またぱったり姿を現すといいね。

 

 

 

・「俺の事、少しは思い出したやろか。忘愛症候群、ってほんまにあるんやな(笑)愛する人が死んだら思い出すっちゅーやつやけど、なかなか残酷やなー。まあ、俺は死んだわけちゃうけど。(笑) 思い出させるのもなかなか苦やで。なんか、もう会えへんって思うと悲しいな、やっぱり。死んだわけちゃうのに、生きとるのに、ここにおるのに、もう会えへん。でも大丈夫や、俺はここからお前を見とるから、未来を知っとるから、道間違えそうになったらいつもみたいに頭叩いたる。(笑)せやから、絶対、元気で幸せになってな、じゃ」

そうだ、ずっと思い出せないでいた、私の大好きな人。思い出したのは、彼がいなくなってから。テーブルの上に置いてあった手紙は、未来の大毅からの手紙だったのかもしれない。どうか、彼が未来で幸せでありますように、と祈りたい。

 

 

 

・「未来に帰るには愛する人と気持ちを繋がなければいけない」重岡くんから聞いたのは変なルールだった。そして、重岡くんは今帰らないと死んでしまうらしい。『愛する人と気持ちを繋ぐってどういうこと?』「唇と唇が触れた瞬間、俺は消える」なるほど、キスか。未来に帰る謎のルールは変にロマンチックなのね、と思った。「俺の愛する人が俺を愛してくれへんと意味ないよな(笑)」『いるの?』「目の前に」『えっ、』未来から来た人は、変にロマンチックに告白するのね。『でも、わたし、帰したくない』それが私の思いだった。ずっと一緒にいたかった、けど、「お願いやから、」その目は言いたそうにしてた。俺を未来に帰してくれ、って。帰ったら記憶なくなっちゃうみたいだし。重岡くんから伸ばされた手は私の後頭部にかけられて、唇まであと数センチ。『ちょっと待って、』「ん」言わなきゃいけない、そう運命が思わせた。『大好き、さよなら』次の瞬間、彼は消えた。でも、微かだけど唇の感触は消えなかったの。「俺は、愛してたけどな」の声は、風に乗って私の耳には届かなかったらしいのだけど。

 

 

 

・『やだ!!!待って!!!!行かないで!!!!』私が泣き喚いても、どんなに叫んでも、帰ってこない。床に落ちた椿の花と、麦わら帽子が私を慰めているみたいだった。

重岡くんが未来に帰る為に必要な鍵、とやらを私は隠した。永遠に帰らないように。一緒に生きよう、そう言ったのに、重岡くんは言ったの。「鍵、返して」と。『やだ』「何でや」『やだやだ』「頼む。俺の幸せを願ってくれるなら、友達なら、親友なら、な、」泣き崩れる私と目線を合わせるようにしゃがんで、私のカバンを漁り出す重岡くん。「みっけ、」パズルのピースを見つけたように、軽々と、言った。『行かないで、』「ごめん」『だめ、』「ごめん」重岡くんはごめんしか言わない。ずっとね。だから私は掴んでいた腕を離したの。「じゃあな、」私の泣き顔を見せないように、麦わら帽子を深くまで被らせて、そこらへんに咲いていた椿の花を私の手に握らせた。もう重岡くんの姿はないし彼から借りた国語のノートも、誕生日プレゼントのキーホルダーもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何ですかこの妄想ドリーム小説*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*みたいなのは。

 

 

 

 

 

きっっっっっっっしょ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年からお送りしました。